W.D. | 宙にあけた穴

W.D.

今日はホワイトデーでした。プレゼントは先週渡してしまっていたのですが、なんとなく仕事を早く切り上げることができそうだったので、夕方メールして彼女と会うことにしました。

彼女は今日も、いろいろと彼女の話を聞かせてくれました。新しい仕事の話、友達の話、子供の時の話・・・。その話の中で、僕が彼女に隠していることに若干関係するようなことを聞かれました。もちろん「結婚しているの?」という聞き方ではないのですが、僕の過去に関する質問をされました。

(・・・全部話ができればいい。)そう思いながらも、「・・・ごめん、それについては今話したくないんだ。また今度話させてくれる?」「・・・うん、わかった。」僕はやはり話すことができませんでした。

(・・・それでも嘘は付かなかった。)単に逃げただけなのに。純粋なホワイトデーにはふさわしくない、無理やり自分を納得させている卑怯な僕でした。