ごまかし | 宙にあけた穴

ごまかし

彼女と出会ってから、僕らは頻繁にデートを重ねました。食事に行ったり、ドライブに行ったり。何度もキスをしました。お互いのことを色々話しました。仕事のこと、両親のこと、小さい時のこと、昔の恋愛のこと。

彼女のことを知れば知るほど彼女のことが愛しくなり、結婚していることは言い出せなくなっていました。彼女はいつも「ずっと一緒にいてね」「拘束なんかしない、邪魔になりたくないの。私を一番に思ってくれればそれでいいの」と言います。「僕の今の気持ちに嘘はない。」「もし、結婚といった話になれば、それはその時誠実に、その時に妻の状況も考慮して考えればい」・・・、そんな言葉で自分を、そして彼女をごまかし続けています。